病気について 2
パルボウイルス感染症
「激しい嘔吐と下痢を繰り返す」...こんなときは???
パルボウイルス感染症の疑いがあるかも?!
犬はたまに吐くことがある動物ですので、吐いた後ケロリとしていたり、食欲もいつもどおりなら様子を見てもいいでしょう。 しかし1日に何度も吐いたり、吐いたものに血が混じっていたり、下痢などの異常も見られるようなら、急性胃腸炎の症状かもしれません。
中でも怖いのは、パルボウイルス感染症という伝染病です。別名“イヌのコロリ病”と呼ばれ、子犬の場合は心筋症を起こして突然死んでしまうこともあります。 成犬は腸をやられることが多く、激しい下痢や血便を繰り返しますので脱水やショック、 白血病の急激な減少で敗血症を併発して、治療の甲斐なく死にいたる例も少なくありません。
主な感染経路はウイルスを持つ犬の排泄物が口から入ることによる経口感染ですが、人が靴の裏にウイルスをつけてくる危険もあります。
初期症状は、 元気も食欲もなく、 突然、何度も激しく泡沫状の粘った液を吐き、水様性の下痢を起こします。中期から末期の症状としては、トマトジュースのような血液の混じった下痢を繰り返し、日に日に衰弱していきます。
糖尿病、腎臓病
「水をたくさん飲み、おしっこの量も多い」...こんなときは???
糖尿病、腎臓病の疑いがあるかも?!
高齢化、肥満化に伴うペットの病気が最近増えています。糖尿病もその一つで、膵臓で作られるインスリンというホルモンが不足して、高血糖状態が長く続いてしまう病気です。
原因として、 食べ過ぎや運動不足、ホルモンのアンバランスなどからインスリンの働きや分泌に異常が生じたことが考えられます。食事をした後は血糖値が高くなりますが、食べ過ぎが続くと大量のインスリンを分泌する状態になり、膵臓が疲れ果ててしまいます。
また運動不足だと、糖があまり利用されないために代謝がうまくいかなくなります。体重のコントロールだけで治ってしまう糖尿病もありますが、インスリン療法でしか改善されない糖尿病にかかると、生涯インスリン療法と食餌療法を平行しておこなうことになります。
他にも多飲多尿症状が出る病気に慢性腎不全があり、進行すると貧血、食欲不振、嘔吐・脳障害へ進みます。 腎臓機能の障害は回復困難な場合が少なくなく、犬や猫では透析治療が普及しないために、症状の進行を遅らせるため皮下保液治療や点滴治療などを積極的に受けることが大切になります。
外耳炎
「耳の中が汚れやすく、臭いが強い」...こんなときは???
外耳炎の疑いがあるかも?!
犬や猫の耳は、外耳道というL字状のトンネルの奥に鼓膜がある複雑な構造をしています。そのため耳の病気に悩まされることが多く、なかでも外耳炎が目立ちます。皮膚の延長である外耳道は、皮脂腺や耳垢腺などが発達し、通気性が悪いので細菌やカビ(真菌)などが繁殖したり、耳ダニ(耳疥癬虫)が寄生して外耳炎になりやすく、炎症の原因も複雑です。
家庭では、指先にガーゼを巻いて見える範囲だけ汚れを取ってあげて下さい。2~3日ほどたっても改善が見られないときには、必ず獣医師の診察を受けて、慢性化しないような対策を採りましょう。
外耳炎の場合、耳を傾けて後ろ足でしきりにかいたり、頭を振ったり、悪い方の耳側に頭を傾けて旋回する、といった動作がよく見られます。