病気について 1
アレルギー皮膚炎
「犬や猫がかゆがっている」...こんなときは???
アレルギー性皮膚炎の疑いがあるかも?!
犬や猫も、人間と同じようにアレルギーがあります。動物の皮膚症状のうち10~20%はアレルギーによるものといわれています。おそらくペットの皮膚の症状は春から夏にかけて悪化していくことに気づかれるでしょう。それは、この時期に花粉やカビの量が空気中に増えることも関係しているのです。
犬は強烈なかゆみを伴う皮膚症状が一般的です。猫は、呼吸器症状が現れます。動物はアレルギーが発症するとよく体をかいたり、足をなめたり噛んだり、顔をこするなどをします。アレルギーが進行すると、傷口が広がったり、傷口から細菌が進入して伝染病を引き起こすなど状態が深刻化していきます。また、食物アレルギーも皮膚症状を引き起こす事があり、嘔吐や下痢を併発する事もあります。
ノミ、マダニの寄生
抜け毛が多く、激しく体をかく」...こんなときは???
ノミ、マダニの寄生の疑いがあるかも?!
抜け毛の季節にはとくによくブラッシングしてあげましょう。抜け毛が多いだけではなく、ある部分だけかゆがったり、フケが出る、発疹が出るといった症状は、皮膚病の特徴です。
原因はノミやマダニなどの外部寄生虫によるもの、細菌性のもの、ホルモンのアンバランス、カビ(真菌)、アレルギーなどさまざまです。 患部が広がらないうちに動物病院で診てもらいましょう。なかでも春から夏にかけて多く見られるのはノミアレルギー性皮膚炎です。寝床に黒い粒(ノミの糞)がたくさん落ちている、寝ていてもいきなり起き上がり、体をかいたり、なめたりする場合には、ノミの寄生を疑ってみましょう。
体内寄生虫や肛門嚢炎
「お尻がかゆいのか、しきりに地面にお尻をこすりつける」...こんなときは???
体内寄生虫や肛門嚢炎の疑いがあるかも?!
犬や猫は人間よりも寄生する虫が多いので、検便は定期的に行うようにしましょう。体内寄生虫が引き起こす病気には、 条虫症のほか、回虫症、鉤虫症、鞭虫症、コクシジウム症などがあり、いずれも多数寄生すると食欲不振や激しい下痢、血便等を起こします。
下痢は単に食べ過ぎや寒さだけでも起きることが有りますが、 1日に何度もあるいは何日か続けて起こる場合には注意が必要です。寄生虫の種類によって駆虫薬が異なりますので、病院で検便をしたうえで処方してもらうことが大切です。
また犬と猫の肛門には、時計の文字盤の4時と8時に当たる位置に肛門嚢という一対の袋状の器官があり、その中に異臭のある液体が詰まっていて、排便や興奮時に少しずつ排泄し、固有の臭いをつけていきます。
この特別な袋状の器官に炎症が起きたり導管がつまったりすると、かゆみや痛みが生じます。化膿して嚢が破裂することもあるので、早いうちに手当てしましょう。
尿石症と膀胱炎
「猫が頻繁にトイレに行くが、おしっこが少ししか出ない」...こんなときは???
尿石症や膀胱炎の疑いがあるかも?!
犬・猫の泌尿器系疾患の中でも一番多いのは、細菌性の膀胱炎と体質性尿石症でしょう。細菌性の膀胱炎は、抗生物質や消炎剤を長期投与して細菌を退治すれば、通常はほぼ1~2週間で症状が好転することが多いのです。しかし治療せず時間が経つと、細菌が増殖することによって尿のpHがアルカリ性になり、尿中のミネラルの結晶が出やすくなります。これが砂粒上の結石となり、膀胱から尿道に流れ出て詰まることもあります。完全に詰まると尿が出ずらくなり、尿毒症を起こして大変危険な状態になります。
膀胱炎や尿石症が疑われる症状としては、何度もトイレに入る、少量のおしっこをして時には尿に血が混じることがある、排尿のときに苦痛の泣き声をあげる、排尿時りんきんで嘔吐することがある、などです。